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haluta 365 REGULAR BOOK

FUN, MY SECRET SPOT

いちばん秘密にしたかった信州ガイド

vol.12

November
,25,2016

風にふかれて #6 「ここからはじまる」

posted by TAKASHI KOBAYASHI

僕たちは知らない。

まだ見たことのないこと。

まだ行ったことのない場所。

今日もどこかで
マスターたちはいつもの朝を迎えている。

シャツにスラックス、ところによりデニム。

カウンターの新聞は
マスターが誰より先に読んでしまった。

さあ、水とメニューを
持ってきたその時が
僕たちのチャンス。

「ありがとうございます」の
ひと言で
ほんの少しだけ微笑む
マスターのコーヒーは格別です。


a Monday.
とある月曜日のこと。



今回は、長野市内の喫茶店を
紹介したいのです。

(ほんとうに内緒にしておいてくださいね笑)

 

「風にふかれて #6」

 

はじまり、はじまり。

 

=====

 

DSC_5290ビルとビルの間から
朝日が昇る冬の朝8時。
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南千歳公園の木々がすぐそばの
ここは喫茶店『
DSC_5301
朝7時半からお店は開いています。

12月ともなれば
お酒を呑みすぎた忘年会の朝も

待ち合わせするクリスマスの夜も

みなさん
ここを秘密の場所にどうでしょうか。
DSC_5306
モーニングセット(450円)は
サイフォンで淹れた珈琲と
厚切りのバタートースト。
DSC_5322
「どうして『幸』と名付けたのですか?」

と聞く僕に

「そんなの忘れちゃったな」


背中で話すマスターは
それ以上は何も言わないし
何も聞いてこない。


ただひとつだけ
サイフォンのことを聞くと


いよいよ眼鏡をずらして

ちょっとだけ嬉しそうに

「うちはずっとこれだよ」
とひと言教えてくれるのです。


9時。朝から午前に変わる。

知ってか知らぬか
窓からいい陽が差すこの一時間。


ゆっくり珈琲を飲んでみてください。

 

カウンターにいるマスターが鏡に映ったみたいに

こちらが飲めばあちらも飲む。

同時にカップに手を伸ばし
朝を迎えることになりますから
なかなかクスッと笑えます。
DSC_5437
さて、お次は車で
ひょいと遠回り。

こちらは川中島の『 COUNTRY HOUSE 』
DSC_5414
暗めの店内に
ダイヤモンド型の照明がちらほらと。
大きな窓から差す光。

車通りの激しい道路沿いでも
店内に入ると全く聞こえない。
DSC_5412
一段下がったカウンターと
テーブルに置かれたテレビ。
BGMは連続ドラマ。


トンネルをくぐるように
カウンター下の扉から出てきたマスターは


目が合うと

席を案内するわけでもなく
カウンターの定位置につく。

 

それがちょうどいいのです。
DSC_5424
遅めのお昼でペコペコのお腹に
ポークカレー(550円)。


奥のキッチンで
カチャ、カチャと音がする。

 

もうすぐ、もうすぐと
期待がふくらむのも
このお店のいいところです。

定番のナポリタンにピザ

エビピラフにお弁当などなど
メニューはたくさん!

サラミとカニカマのピザは
クリスピーで軽く、女性でも食べやすいと思います。

(実は、欲張ってピザも食べました)


夜はお酒も出すのです。
23時までやってますから。

 

「もう何年経ちます?お店はじめて」
ーーー「30年以上になるんじゃないかな?」


と曖昧なマスターもまたいいのです。

 

ここへの道はわかりにくいですが
駐車場があるので遠くの方もぜひに。
(秘密にしたいので、ちょっと不親切。ごめんなさい笑)DSC_5442そして、最後は
長野駅前に戻り『 三本コーヒーショップ 』へ。

1949年創業の喫茶店が
今も変わらずここにあります。
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地上(テーブルから)1mの距離から
コーヒーとミルクを直下落下させて
注がれる
カフェオレ(500円)。

 

レアチーズケーキ(420円)は
ずっしりと重く、濃厚で深い。
DSC_5449
カウンターに腰かけた女性は言う。

「もう。マスター、そんなことより新しいメニューまた考えなくちゃね」
ーーー「まあ。しかし、寒くなってきたな」
DSC_54651
「純喫茶」、「レトロ」という言葉で
表すにはこと足りず


コーヒーを淹れて
誰かと話して、ときにはバイトの子を叱って


この場所でずっと変わり続けてきた
毎日がある、と感じたのです。

帰り道
Bill Withers の『 Lean on me 』の
ピアノから始まるイントロが
何度も何度も頭を流れてきた。
DSC_53211いつも通りの営みがあって
家に帰れば家族がいて
パラパラと新聞をめくるマスターの毎日がある。

「おいしかったです」のひと言。

そんな大袈裟な言葉はいらないのですね。
DSC_5329

カラン、カラン。

扉を開けて。


もう一度

この街の奥底を巡ってみる。

 

「ここからはじまる」

 

=====

 

僕にはまだまだ知らないことがたくさんある。


きっと、歳をとればまた知りたいことが増えていく。


会ったことのない人


まだ見ぬ風景


勘にひっかかるおどろきと発見

 

=====


「風にふかれて」

全6連載-完-


-info –



長野市南千歳1-3-11 2F
7:30-21:00

定休日なし

 

COUNTRY HOUSE

長野市川中島町上氷鉋1111-13

11:00-23:00

日曜定休

 

三本コーヒーショップ

長野市末広町1358-2

平日9:00-19:30

日祝日 10:00-18:30
定休日なし

 

-後記-

「風にふかれて」

いかがでしたでしょうか?

今回はこのような機会をいただき、大変感謝しております。
このページの先にいるみなさんには直接お会いして「ありがとう」をお伝えしたいくらいです。そして、取材に協力してくれたみなさん。交わした会話は、きっとまたどこかで僕の頭の片隅からヒョロ、ヒョロっと芽を出していくかと思います。
荒削りながら手紙を書くように綴ってきた言葉と、あの日あの時あの場所で君に会えなかったら(O.da.カズ◯サ)な写真がどこかで誰かの「何か」になれたら嬉しい限りです。
教員時代の教え子たちはもうすぐ20歳。
僕も負けじと少年のような大人にぐんぐん成長していきたいです。知らないこと、見たことない場所、そこにある驚きと発見にワクワクしながら。

そして、最後の最後まで、校正にお付き合いいただき、今回の機会を与えてくださった
編集長の山村光春さん。本当にありがとうございます。

ありがとうございました!

2016年11月21日 シンカイにて 小林隆史

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posted by TAKASHI KOBAYASHI

2011年、大学3年の冬に長野市「旧シンカイ金物店」を友人と改修。生活拠点として、蚤の市やライブ、食事会などを企画。中学校教諭退職後、渡米。帰国後、アパレル販売員を経て、執筆、空間演出、広報などの経験を積む。フードケータリング「Hello,FOLKS!」主催。

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